公立中高一貫校に行こう!ブログ

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首都圏公立中高一貫校を受検するには塾は必須?塾に行くなら何年生から?

首都圏において、公立中高一貫校は普通の公立中高と同じ学費で質の高い教育が受けられるため、とても人気があります。

通常、倍率は高く3倍から5倍。比較的倍率の高い千葉県では10倍を超える学校もあります。

千葉県立東葛飾中は昨年10.6倍の倍率👇

 また公立中高一貫校の入学試験は、各教科の問題を混在させた「適性検査」と呼ばれるもので、文章を書かせる記述式がほとんどです。

こういった高倍率で特殊な試験を突破するには、塾は必須なのでしょうか?また、行くなら何年生からいけばいいのでしょうか?

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特殊な試験のため何もなしでの突破は難しい

首都圏において、公立中高一貫校の入学試験は「適性検査」と呼ばれるもので、国語、算数、理科、社会(学校によっては英語や他の科目を含む場合も)の4教科を混在させた問題が出ます。

解答はマークシートではなく記述式であり、300文字以上の作文形式になっているものも。

そしてそのほとんどが、知識を問うものではなく「思考して判断して表現する」という力が必要な問題となります。

そういった特殊な試験であるため、学校の授業と家庭内の勉強だけでは厳しく、通信教育や塾といったツールを使用するケースが多いです。

通信教育は3年生から、塾は5年生からがスタンダード

首都圏で公立中高一貫校の合格者を多く出している通信教育や塾を見てみましょう。

通信教育ではベネッセ、Z会が、塾ではena(エナ)、栄光ゼミナールが公立中高一貫校の合格者が多いことで有名です。

ベネッセ、Z会、ena(エナ)、栄光ゼミナールの公立中高一貫校コース👇

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ベネッセ、Z会は「公立中高一貫校の受検用」として、通常の講座にオプションとして特別講座を設けています。

ベネッセは「考える力・プラス講座」が1年生から、「作文、表現力講座」が3年生から受講できます。

Z会は「思考・表現力」が3年生から受講でき、本格的な「公立中高一貫校適性検査」講座は5年生からとなります。

一方、ena(エナ)、栄光ゼミナールはどうでしょうか。

ena(エナ)は公立中高一貫校コースを3年生から設けていますが、本格的に適性検査の対策をするのは5年生からとなっています。

また栄光ゼミナールの公立中高一貫校受検コースは5年生からです。

こうしてみると、公立中高一貫校の受検対策は、通信教育の受講は3年生から、塾に通うのは5年生からというのが一般的です。

公立中高一貫校「1校のみ受検」の難しさ!

「公立中高一貫校を1校だけ受検し、他の滑り止めは受けない(行かない)」というケースでは、「受検にどこまでお金と時間をかけるか?」というのが非常に難しくなります。

プロ家庭教師の安波京子先生が、リセマムのインタビューの中でこう語っておられます。

「都立(公立中高一貫校のこと)に行きたいなら、私立向けの勉強をしてスキルを上げたほうがよいでしょう。」

「公立はこれといった対策が非常にしにくい入試問題です。(中略)昨今は私立向けの勉強をしたお子さんが合格する割合が高くなっています。塾で受験勉強をするのであれば、私立向けの勉強をしたほうがよいと思います。」

引用元:【中学受験2021】安浪京子先生に聞く(1)この塾で大丈夫?転塾する? | リセマム

私立向けの勉強となると、3年生2月から入塾し年々上がる塾代を3年間支払うことになります。また、週3日~4日、夜9時近くまでと、塾にいく時間も膨大に費やすことになります。

しかし!そこまでやっても「確実に受かるとは言えない」のが公立中高一貫校受検なのです。

低学年、中学年のうちは通信教育や塾は不要?

通信教育や塾にも低学年、中学年のコースがありますが、そのほとんどが基礎的な内容になります。

また、大手塾では「公立中高一貫校受検は、どんなに対策をしても受かる確率はたいして上がらない」という意見もあるようです。

ほとんどの子どもが塾通いをするものの、多くの塾教師は「いかに模試の成績が良く偏差値が高くても、都立の一貫校に受かるとは限らない」と口を揃える。

引用元:中高一貫公立校の“学校経営”に私立学校から不満タラタラ|日刊ゲンダイDIGITAL

倍率が高すぎるうえに問題が特殊すぎて対策できない

公立中高一貫校の倍率は、3~5倍が通常、高ければ7~8倍、都道府県によっては10倍という高倍率です。

ここまで倍率が高いと、勉強ができて偏差値の高い子でもなかなか「合格確実」というラインは見えてきません。

また公立中高一貫校の「適性検査」は記述式が多くでますが、「なぜそうなるのか」を説明する問題や、自分の意見を述べるような問題が出るため、100%の模範解答を出すのが難しくなります。

こういった高度問題の対策をするのは、低学年はもちろん中学年にも時期尚早と考えられています。

学校の授業だけで理解を深められる子が求められる

公立中高一貫校に入学すると、自主性を求められるシーンが多くあります。

授業も「自分で考える」「自ら行動する」ことが前提に進められます。

またほとんどの学校が、5年生(高校2年生)までに高校3年生の内容を終わらせるスケジュールを組んでいるため、授業の進度も早いです。

つまり、小学生のうちに塾や通信教育といった「プラスアルファ」で学ぶことを勉強の中心にしてしまうと、入学してから授業についていけなくなる可能性が高いです。

公立中高一貫校では、学校の授業を受けるだけで6年生までの内容をつまづくことなく理解できる子であることが最低条件なのです。

その上で、通信教育や塾で受検用の対策を「上乗せ」して受検に挑むのが良いでしょう。

最後に:低学年、中学年では「学びや思考を深める」体験を!

低学年、中学年が学びや思考を深めるためには、「親との対話」や「親との体験」が不可欠です。

子どもが日常の出来事を話したり、授業で出てきた場所に家族で出かけたり、何気ないことが子どもの学びや思考を深める手がかりになります。

受検の勉強で忙しくなる前に、親子でたくさんの体験ができるといいですね!