今、中学受験をする人が増えていますが、中でも人気があるのが公立中高一貫校です。
公立中高一貫校の倍率は平均的に4倍から7倍と高水準をキープしています。
今回は、首都圏【東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県】の公立中高一貫校について詳しく解説します。
公立中高一貫校はどうして倍率が高いの?
公立中高一貫校の倍率は平均的に4倍から7倍と言われており、これは大学受験でもあまりないくらいの高倍率です。
公立中高一貫校がここまで高倍率な理由は次の3点。
- 私立の中高一貫校と同様に6年間で質の高い教育が受けられる
- 学費が公立中学校、公立高校に進学した場合と同水準である
- 小学校で履修する範囲から試験問題が作成される
公立中高一貫校は基本、5年間で高校3年生までの範囲を終了させて残り1年間を大学受験のために使うカリキュラム。そして個性的な授業や行事、企業や大学と連携した授業、海外研修、留学制度などがありとても充実した教育内容です。
この教育内容が、中学校3年間はほぼ無償、高校3年間は公立高校とほぼ同等の学費で受けられます(ただし海外研修や宿泊研修にかかる費用は別途)。
さらに、特殊算を必要とする私立中高一貫校と違って公立中高一貫校の試験である『適性検査』は、原則として小学校の勉強内容から出題されます。そのため、塾に通う費用についても大幅に抑えられます。人によっては塾なしで合格している場合もあります。
公立中高一貫校は難関私立を受ける子の併願校となっている?
今話題となっている中学受験マンガ『二月の勝者』で、塾の成績トップである島津順さんが都立の中高一貫校を受けようか検討するシーンがあります。
島津順さんは私立中学の最高峰である開成中学を受験する生徒。
この『二月の勝者』のように、公立中高一貫校は難関私立中を受ける子が併願することが多いのでしょうか?
以前は公立中高一貫校の試験『適性検査』は、記述問題が多く私立中の試験とは傾向が異なり対策が難しいため、私立中学と併願されることは少なかったようです。
しかし最近は私立中でも記述問題が増えてきたため、塾でもそういった問題の対策をすることが増え、結果的に公立中高一貫校を併願する子が増えました。
ただし、誰でも受験でき受験日数も豊富な私立中に比べて、条件や日程に制限があるのが公立中高一貫校です。
そのため、条件や日程が合わず併願をあきらめたとなるケースも多いようです。
東京都の公立中高一貫校
東京都には公立中高一貫校が11校あります。千代田区立九段中等教育学校だけは区立でそれ以外の10校は都立中高一貫校です。
都立中高一貫校の中で都立高校附属中である5校は高校からの募集をしていましたが、2021年度に2校、2022年度に2校が高校募集を停止し、残る白鴎高校も2023年度から高校募集を停止します。
そのため、2023年度の入試からは11校全てが「中学校からの募集のみで高校からは入学できない」ことになります。
都立中高一貫校について詳しく知りたいかたはこちら👇
神奈川県の公立中高一貫校
神奈川県には公立中高一貫校が5校あります。
そのうち神奈川県立の公立中高一貫校は相模原中、平塚中の2校。
他に横浜市立の公立中高一貫校が2校、川崎市立の公立中高一貫校が1校です。
横浜市立の南高校附属中と横浜サイエンスフロンティア高校附属中は、高校からの入学ができます。
そのほかの3校は、中学校からの募集のみで高校からは入学できなくなっています。
神奈川県の公立中高一貫校について詳しく知りたいかたはこちら👇
千葉県の公立中高一貫校
千葉県には公立中高一貫校が3校あります。
そして千葉市立の公立中高一貫校が稲毛国際中等教育学校(稲毛高校附属中学校)です。※稲毛高校附属中学校が2022年から稲毛国際中等教育学校になります。
千葉県の公立中高一貫校は全て高校からの募集がありますが、稲毛中は2025年から高校募集を停止する、と発表しています。
千葉県の公立中高一貫校は全国的にも倍率が高いと言われています。
千葉県の公立中高一貫校について詳しく知りたいかたはこちら👇
埼玉県の公立中高一貫校
埼玉県には公立中高一貫校が4校あります。
そのうち埼玉県立の公立中高一貫校は伊奈学園の1校のみ。
他にさいたま市立の公立中高一貫校が2校、川口市立の公立中高一貫校が1校です。
埼玉県の公立中高一貫校のうち高校募集をしていないのは大宮国際中等教育学校のみで、それ以外の3校は高校からの募集をしています。
ちなみに大宮国際中は、公立中高一貫校では珍しく伊奈学園と浦和中の2校と1次試験のみ併願することができます!
埼玉県の公立中高一貫校について詳しく知りたいかたはこちら👇
参考に:首都圏にある国立大学付属中学校
首都圏には国立大学付属中学校が12校あります。
国立大学付属中学校は、公立中高一貫校とは制度が異なり、付属の高校、大学があっても全員が行けるわけではありません。
内部進学率や内部進学の条件は各学校で異なります。
また授業料以外に諸費用や寄付などの負担があるため、公立中高一貫校より学費はややかさみます。
東京都の国立大学附属中学校
- お茶の水女子大学附属中学校
- 筑波大学附属中学校
- 筑波大学附属駒場中学校
- 東京学芸大学附属小金井中学校
- 東京学芸大学附属国際中等教育学校
- 東京学芸大学附属世田谷中学校
- 東京学芸大学附属竹早中学校
- 東京大学教育学部附属中等教育学校
神奈川県の国立大学附属中学校
埼玉県の国立大学附属中学校
千葉県の国立大学附属中学校
最後に:公立中高一貫校受検は私立受験とは異なる!
公立中高一貫校の受検は、いわゆる中学受験といわれる私立中の受験とは異なります。
適性検査と言われる試験の傾向も異なりますし、併願ができないこと(私立中はできますが…)や倍率の高さなど、公立中高一貫校の受検はとても特殊な世界です。
しかし、そこに住んでいれば誰でもチャレンジできるのが公立中高一貫校の魅力です。
もし子どもさんが興味を示しているなら、ぜひチャレンジを薦めてあげて欲しいです!
※本ブログにおいての偏差値は記事を書いた時点での四谷大塚の中学校偏差値(80偏差値)を参考にしております。