神奈川県は、栄光学園(鎌倉市)や浅野中学校(横浜市神奈川区)など、名門の私立中が多くあり中学受験が盛んな県です。
私立の中学校だけでなく、公立中高一貫校もとても人気があり、毎年倍率は4倍~6倍、になるほどです。
神奈川県の公立中高一貫校について、詳しく調べてみましょう!
神奈川県の公立中高一貫校は5校
神奈川県には、公立中高一貫校が5校あります。
そのうち、神奈川県全域から受検が可能な県立の公立中高一貫校が、相模原中(神奈川県立相模原中等教育)と平塚中(神奈川県立平塚中等教育)の2校です。
また、横浜市に住んでいる人が受検できる横浜市立の公立中高一貫校が、南中(横浜市立南高校附属中)、サイフロ(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高校附属中)の2校。※ただし、南中は市外からの受検が可能。
そして、川崎市に住んでいる人が受検できる川崎市立の公立中高一貫校が、川崎中(川崎市立川崎高校附属中)です。
公立中高一貫校のアクセス
神奈川県の公立中高一貫校は、川崎市、相模原市、平塚市にそれぞれ1校、横浜市に2校あります。
神奈川県立の中学校である平塚、相模原は、それぞれ最寄り駅が、JR平塚駅、小田急線相模大野駅です。どちらも神奈川県の主要路線で、遠方からでも通いやすい立地です。
横浜市立の中学校であるサイフロは、JR鶴見線の鶴見小野駅から徒歩3分。南中は、市営地下鉄ブルーライン上永谷駅から徒歩15分の立地です。
川崎市立の川崎中は、JR川崎駅から徒歩20分と、最も通学しやすい駅に位置しています。
神奈川県の公立中高一貫校は併願できない
5校のうち、県立である平塚中、相模原中は、神奈川県全域で受検できます。
横浜市立であるサイフロ、南中は、横浜市に住んでいる人が受検対象ですが、南中のみ県内の横浜市外からも受検が可能です。南中は市外の入学者は定員の30%までと規定しています。
川崎市立である川崎中は、川崎市に住んでいる人のみ受検できます。
この神奈川県の公立中高一貫校の受検日は全て2月3日で統一されているため、併願することはできません。
神奈川県の公立中高一貫校の、受検について表にまとめてみました。
学校名 | 平塚中 | 相模原中 | サイフロ | 南中 | 川崎中 |
受検可能 なエリア |
神奈川県全域 | 横浜市 | 横浜市 ※市外でも受検可能 但し定員の30% |
川崎市 | |
受検日 | 2月3日 |
神奈川県の公立中高一貫校、受検校はどう選べばいい?
神奈川県に住んでいる人が受検できる公立中高一貫校は、下記のとおりです。
では、受検する学校をどう選べばいいのでしょうか?
選ぶときにチェックしたいのはこちら👇
- 中高6年間子どもが通えるかどうか?
- 子供のレベルにあった学校か?
- 卒業後の進路は子どもの希望に合致しているか?
中高6年間子供が通えるかどうか?
公立中高一貫校を受検する場合、多くの人は電車やバスを使って通学することになります。荷物も多くなるため、子どもによっては負担が大きいです。
また、中高一貫校は授業数が多く、7時間目や土曜日に授業があったりする学校も少なくありません。
そういったハードな学校生活に向いている子どもかどうか?ということを、しっかりと考えてあげてください。
子供のレベルにあった学校か?
神奈川県の公立中高一貫校は、偏差値で言えば56~66となります。
この偏差値は、中学受験をする子が母数となっているため、高校受験で扱う偏差値とは全く異なり、偏差値56であっても平均の小学生よりかなり高いレベルになります。
例えば、サイフロの偏差値は女子66、男子64ですが、これは神奈川県の難関私立中学である浅野中学校(偏差値66)と同等レベルです。
各校の偏差値は下記のとおりです。子どものレベルにあうかどうか検討してみましょう。
学校名 | 平塚中 | 相模原中 | サイフロ | 南中 | 川崎中 |
偏差値 | 男子:57 女子:59 |
男子:61 女子:62 |
男子:64 女子:66 |
男子:62 女子:63 |
男子:56 女子:58 |
※偏差値は2022年6月時点での四谷大塚の80偏差値を使用。
卒業後の進路は子どもの希望に合致しているか?
公立中高一貫校に行けば、高校受験はありません。
その代わり、中学生の段階から「大学受験」を視野に入れることになります。
となると、理系か文系か?国公立か私立か?都市部か地方か?という選択を早めに迫られることも。
もちろん今後変更することもあるでしょうが、今現在想定できる子どもの進路に合った学校であるかどうかを確認しておくと良いでしょう。
その他:公立中高一貫校のメリット、デメリット!
公立中高一貫校に進学する一番のメリットは、「公立の中学校と同程度か多少高い学費で、質の高い教育を6年間通して受けることができる」というところです。
ただしデメリットもいくつかあります。
まずひとつめは、「公立の中学校、県立の高校に進学した場合よりは、費用が多くかかる」という点。
公立中高一貫校は、公立の中学校や県立の高校とは異なるカリキュラムを採用しており、宿泊研修や海外研修などのプログラムがあるため、その分費用がかかるケースがほとんどです。
またふたつめは、「別の高校に進学をしたくなっても簡単にはできない」、という点。
公立中高一貫校は、普通の高校受験には対応していないため、そのまま進級せず別の高校に進学することはできません。
その場合は、中学生の間に公立中高一貫校から地元中や高校受験のできる私立中に転校し、その中学校から高校受験をするのが一般的なので注意しましょう。
メリット、デメリットをしっかりと確認し、親子で公立中高一貫校への進学を話し合ってみてはいかがでしょうか…!